「退職代行屋さんが教える【退職代行トラブル7選】実例・体験談付きで解説」
退職代行は、「本人に代わって、勤務先に退職意思を伝えてくれる」サービスになります。
2018年にNHKの「クローズアップ現代」で特集されたことで大きく広がりました。
最近では退職代行サービスの認知度も約6割を超え、一般的なサービスになってきています。
しかし、退職代行サービスが一般的になると同時に、悪質な業者によるトラブルも多くなってきています。
今回は、元退職代行屋である私が体験した(もしくは同業者から聞いた)退職代行トラブルを7つまとめて紹介します。また、その時の対策もまとめてご紹介。
退職代行サービスの利用を検討している方が、こういったトラブルがないように作成しました。
退職代行トラブルは何が原因?
会社側が退職代行に理解がなくてトラブルに
会社側に問題があるパターンです。前提、会社は戦力であるあなたに退職してほしくありません。労働者を搾取するブラック企業でも、美味しい搾取先であるあなたを手放す気はありません。
そのため、退職代行サービスを利用してもまともに取り合ってくれないケースが多々あります。
ただし、企業と労働者は雇用契約で結ばれた対等な関係です。これはつまり、「どちらかの契約継続意思がなければ契約は破棄される」ということでもあります。
そのため、まともに対応してくれる・くれない問わず、契約終了となります。後半でも言及しますが、損害賠償や懲戒解雇などで脅してくる企業もいますが、こちらは論外なので無視しても問題ありません。
無資格の業者を使用してトラブルに
退職代行業者側に問題があるパターンです。
本来、会社と個人の間に入って交渉・調整を行えるのは弁護士か労働組合に限られていますが、退職意思を代理で伝えるだけであれば無資格でも問題ありません。こういった無資格の業者は多数存在しています。
円満に退職手続きが進めば問題ないのですが、交渉などが発生した場合には弁護士・労働組合が運営するサービスでなければ対応できません。無資格の業者はトラブルが発生した場合、相談者に対応を丸投げすることなどがあります。
こういった怪しい業者を使ってしまったばかりにトラブルになるケースが後を絶ちません。
退職代行トラブルに関する実例・体験談を紹介
ありがちな退職代行トラブル1:退職意思を受け入れてくれない
最も典型的なパターンです。退職の意思表示をしても、まともに取り合ってくれないケースになります。冒頭でもお伝えした通り、会社側は退職拒否はできないため、全くの時間の無駄です。
このような押し問答を避けるために退職代行があるのだと私は思っています。
ありがちな退職代行トラブル2:懲戒解雇をちらつかせてくる
退職代行を使って出社しなかったことを理由に、無断欠勤として懲戒解雇をちらつかせてくるパターンです。
動画では認識の行き違いから懲戒解雇の話になっていますが、本来であれば退職代行を使った程度で懲戒解雇は成立することはありません。
ありがちな退職代行トラブル3:損害賠償をちらつかせてくる
懲戒解雇のパターンと同様に、損害賠償をちらつかせてくるパターンです。
こちらも、退職した程度では損害賠償を請求できる可能性はありません。
退職代行関連ではないですが、「従業員の退職に際して損害賠償が認められるか?」が争点となったプロシード元従業員事件というものがあります。
こちらは従業員側の主張がほぼ認められ、損害賠償請求が棄却されました。
ありがちな退職代行トラブル4:有給消化を認めない
有給休暇の取得は労働者の権利です。会社側が拒否できるものではありません。
ただし、有給消化を認めたくない企業は驚くほど多く、退職代行業者と企業との間で交渉が行われることは多くあります。
こういった場合が予想されるなら、弁護士が対応に当たってくれる退職代行業者を利用するのが良いと思います。
ありがちな退職代行トラブル5:無資格業者を利用してしまった
ここからは、退職代行業者に問題があるパターンについて解説します。
冒頭でもお伝えした通り、企業との交渉・調整業務を行えるのは弁護士・労働組合のみとなっています。
無資格の業者は「非弁行為」という法律違反となってしまうため、こういった交渉・調整をすることはできません。
この方も言っている通り、無資格業者を利用するのはトラブルのもととなるため、あまりお勧めはできません。
ありがちな退職代行トラブル6:多額の追加料金を請求される
低価格で集客しておいて、あとから追加料金として利益を取りにくるパターンです。安すぎる業者を使ってしまって後から後悔する人は少なからず存在しています。
ありがちな退職代行トラブル7:詐欺業者にひっかかってしまう
十分な専門性や知識がない業者が、退職できない状態のまま放置してくるパターンです。
このような場合、最終的な対応は相談者が行わなくてはならなくなり、最も気まずいことになります。
悪質な業者を回避するためには、実際の利用者の口コミを細かく確認するなど、自衛策が求められます。
退職代行でトラブルにならないための対策は?
ここからは、万が一退職代行を利用してトラブルに巻き込まれたときの対策をお伝えしていきます。
弁護士や労働組合の運営する、正規サービスを利用しよう
ニーズが高まっている退職代行ですが、安かろう悪かろうの悪質な業者も多数存在しています。
万が一トラブルが発生した場合でも適切に対応してくれる「弁護士・労働組合運営のサービス」を利用することが安心です。
なぜトラブル回避のために正規サービスがいいの?
ノウハウが豊富にある
退職代行を利用することで、会社が過剰に反応することがあります。
「退職代行なんて利用するのであれば、損害賠償を請求する」など、トンデモな主張をしてくることも多々あります。
本来であればそういったことは拒否できますが、ノウハウが少ない退職代行業者では対応しきれないと判断してしまうケースもあります。
会社側が予想外の対応をしてきた場合でも、十分な対応ができる業者を選ぶことが得策です。
そういった意味でも、ノウハウが豊富にある退職代行業者を利用することが、トラブル回避のためにも必須となります。
弁護士にしかできない領域がある
退職代行は退職の手続きを代行してくれますが、多くの場合は代行だけで終わります。
ハラスメントへの慰謝料請求や、残業代請求・労災の申請など、法律を武器に会社と戦わなくてはならない場面も多々あります。
これらは、弁護士にしか対応できない内容になります。
※注意※ もし、弁護士以外の退職代行サービスが上記を行うと「非弁行為」として違法になります。
きちんと退職でき、なおかつ慰謝料などが欲しい場合は、弁護士事務所などが運営している正当な退職代行を利用することが重要です。
難関の司法試験を合格した弁護士が対応してくれる
また、弁護士事務所が運営しているサービスでは、対応してくれるのは当然弁護士になります。
弁護士になるには司法試験という、日本で最高クラスの難関資格を取得する必要があります。
圧倒的に優秀な弁護士が、退職をサポートしてくれることはとても心強いです。退職代行を利用する数万円で、弁護士が味方になってくれるサービスは、とてもコスパの良いといえるでしょう。
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